70年以上俳句を詠まれている勝俣隆さん 御紹介

2022年8月12日 投稿

1.はじめに

今回の御紹介は、浅利下組にお住いの勝俣隆さんです。
勝俣さんは御年97歳になられました。
日頃、我々はなかなか俳句という世界を知ることができないため、今回浅利の「俳人」に
お話をお聞きしました。

 

「俳句は 人生の支え なり」

         勝俣隆

 

 

勝俣さんの庭にある新樹会より送られた記念句碑

「群蜻蛉 空に音なく 峡日和」

 

2.インタビュー

インタビュアーはホームぺージ委員会の折笠です。

 

 

 

インタビューの前に簡単に勝俣さんを御紹介します。
勝俣隆さん、大正14年3月にお生まれで御年97歳です。
俳号は、勝俣明翠(かつまためいすい)さんです。
たいへんお元気ですね。元気の源は何ですか?


 

よく食べることです。


 

 

最初の一句は憶えておりますか?


 

覚えておりません、80年も前のことなので・・・(笑)


 

 

どこでお生まれですか?どのような仕事をされていましたか?


 

山梨県富士吉田市小明見です。会社員でした。


 

 

何故、俳句を始めたのですか?


 

俳句会で「新そば会」と言う会があり、その会について行ったことが俳句との出会いでした。
その会は山中湖の朝日が丘に高浜虚子先生の別荘があり句会をしてました。
大人の会ではあったが指導を受けたことがきっかけで俳句を始めました。


 

 

他のご趣味は?


 

昔は釣り、菊づくり等していたが、現在は俳句のみです。


 

 

俳句作品を紹介していただけますか?


 

◆赤堀五百里先生選に私の句集「あゆ」より四句選んでいただきました。
  河鹿笛 闇引きしめて をりにけり 
  (かじかぶえ やみひきしめて おりにけり)

 

  ひしひしと しじまを深む 寒夜たり 
  (ひしひしと しじまをふかむ かんやたり)

 

  ならはしの 虚子の軸掛 お元日  
  (ならはしの きょしのじくかけ おがんじつ)

 

  織娘等の 撞き交し居る 十夜鐘 
   (おりこらの つきかわしおる じゅうやかね)

 

◆新樹会より記念句碑をいただきました。今、庭にあります  
  群蜻蛉 空に音なく 峡日和  
  (むれとんぼ そらにおとなく かいびより)

 

◆令和4年5月の句 
  人生の こぼれ話も 涼し聞く  
  (じんせいの こぼればなしも すずしきく)


 

 

俳句の素晴らしさとは?


 

自然の風景を写生して、自分の想いを伝えられることです。
『花鳥諷詠』 高浜虚子先生が提唱し、ホトトギス派の基本理念であります。
四季の移り変わりによる自然界や人間界のあらゆる現象をそのまま客観的に
うたうべきであるとする俳句理念です。


 

 

俳句の受賞の御紹介を。


 

俳句大会などで受賞したことはあるが、覚えていません。
俳句大会などの選者を永くしていました。


 

 

それでは私たち後輩へのメッセージをお願いします。


 

いろんなことに興味を持ち、感性豊かな生活を送ることですね。


 

 

それでは最後に一言お願いします。


 

 「俳句は 人生の支え なり」


 

娘さん御夫婦と

 

 

3.その他の紹介

「裸子」会員で、また大月「新樹会」所属で現在も投稿活動中です。

 

句集「あゆ」を平成元年5月に発刊しました。
これは伝統の花鳥諷詠を心に、ただ一筋に進むべく、ひたむきに遡上する清流の女王「鮎」に
惹かれて題名としました。(発刊時のあとがきより引用) 

 

 

 

4.編集後記

俳句は、季語を入れる、5-7-5と語数は限られている中で、自分の五感で感じた
あらゆる現象を語句だけで表わすという「芸術」だと思いました。

 

今回の取材は、ごく普通の日常生活の中で、経験したことのない世界を垣間見たようで
とても刺激になりました。

 

◆追記 
 取材後の令和4年9月22日に97歳で永眠なさいました。
 ご家族様より『元気な時に取材していただき、深謝致します』とお言葉を頂きました。
 取材中の元気な姿が思い浮かびます、安らかにお眠りください。
                                        合掌

 

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